【恋に生きた坂崎出羽守-江戸時代ネタ】

江戸時代




 

【恋に生きた坂崎出羽守-江戸時代ネタ】

 

 

このブログをお読みのあなたは、

坂崎出羽守(さかざきでわのかみ)を

ご存知でしょうか?

 

【大阪の陣の授業-江戸時代ネタ】で

登場した、日本最強の剣士、

柳生但馬守宗矩と唯一互角に剣を交える

ことが出来た人物です。

 

今回はこの人物のお話を少々。

よろしければお付き合いください<(_ _)>

 

 

〇千姫救出に成功

 

大阪の陣にて大阪城が焼け落ちる時、

徳川秀忠の娘である

千姫が取り残されてしまいました。

 

それを知って慌てた秀忠は、

千姫を救出した者に、

彼女と婚約することを許可しました。

 

その際、

危険を顧みず、彼女を救出したのが

坂崎出羽守です。

 

千姫をおぶって逃げ出す坂崎。

朦朧とした意識を取り戻す千姫。

 

がっ、その時!

 

千姫に、焼けた木材が倒れてきました。

 

坂崎は千姫をかばう為、

咄嗟に顔面で焼けた木材を受けます。

 

しかし、

その激しく焼けただれた坂崎の顔を見て、

彼女は恐怖で再び気絶してしまいます。

 

秀忠:よくやった坂崎!お前に、

千姫との婚約を許可するっ!!

 

坂崎:やったぁぁぁーーーヾ(*´∀`*)ノ

はっ!と気付くと、

坂崎は自分の床に臥していました。

どうやら千姫を救出した後、

直ぐに気を失ってしまったようです。

 

彼は一先ず、ケガを直す為に療養します。

千姫のことを胸に…。

 

 

〇千姫事件(パート1)

 

しかし、彼はその後、

おかしな噂を耳にしてしまいます。

 

千姫が、本多忠刻(ほんだただとき)と

婚約するというのです。

 

真相を知る為、坂崎は秀忠の下へ行き、

事情を聞き出します。

 

坂崎:上様、この度、本多と千姫が婚約

されるという噂を聞きましたが…。

 

秀忠:そうなんだよ。千姫がやけに本多

に惚れてしまってなぁ~。

 

坂崎:私に千姫をくださるという約束は?

約束はどうなったのですかっ!!

 

秀忠:ん!?そんな話した記憶はないが?

お前、夢でも見ていたんじゃないか?

 

当時の武士にとって、恥=死。

この時、坂崎は死を覚悟しました。

 

 

〇千姫事件(パート2)

 

千姫の本多への嫁入りは、

大変慎重に行われました。

 

何故ならば、

その嫁入り行列を目掛け、

坂崎が現れるという噂があったからです。

 

そして、坂崎は本当に姿を現し、

行列に一人突っ込んでいきました。

 

多くの護衛で応戦するも、

その強さったらハンパないこと。

 

何せ彼は、

あの柳生但馬守宗矩と引き分けた男です。

 

しかも、彼は、

泣きながら突っ込んできたとも…。

 

そんな彼を、誰も斬れませんでした。

彼が悪くないのを皆知っているのです。

 

坂崎は千姫に向かって叫びます。

 

坂崎:姫ぇー!一目だけで良いんです。

一目だけでもあなたのお顔を見られれば、

坂崎は死ねますっ!!

 

千姫:嫌じゃー!あんな恐ろしい顔を

見るくらいなら、死んだ方がマシじゃ!!

何ということでしょう。

坂崎、決死の覚悟で乗り込むも、

千姫はこれを拒否。

 

しかも、彼女を守る為に負った火傷さえ

拒まれてしまいました。

 

これでは、坂崎が死ねません。

 

だがっ、しかし!!

 

「どけっ!俺がやるっ!!」

 

そこに現れたのは、

日本最強の剣士、柳生但馬守宗矩でした。

 

坂崎:柳生か…。

彼は微笑を浮かべました。

 

最高の友が、死ぬことが出来ない自分を

殺しに来てくれたのです。

 

両者、剣を構え、一閃!!

 

勝負はつきました。

倒れたのは坂崎出羽守です。

 

しかし次の瞬間、周囲の人間は

二度と見ることのない光景を目にします。

 

普段は無表情を装い、寡黙な男だと

思われていた柳生但馬守宗矩が、

なんと、倒れた坂崎を抱きかかえ、

 

「坂崎ィィィーーー!!!」

 

と涙を流しながら叫びました。

坂崎がいかに無念だったかを、

真の友人だけが理解していたのでしょう。

 

いかがでしょうか。

 

恋に生きた坂崎出羽守。

 

彼の死後、柳生但馬守宗矩は、

秀忠からの褒美として、

坂崎の家紋をもらったそうです。

 

これが「柳生笠」と呼ばれるように

なりました。

 

親友だった男の無念を、

自分が代わりに胸に刻んでおこう

と思ったのでしょう。

 

では、今回はこの辺で。

 

 

このブログを読んで下さる方々に

最大の敬意を込めて。

あなたの生徒が輝く授業を

最大限していきましょう。

ありがとうございました。