【身分制度の授業-江戸時代ネタ】
どうも、野本です。
今回は(?)少しマニアックな内容です。
江戸時代の身分制度はどんな背景から
誕生したのか。
生徒達にウケる部分ではないかも
知れませんが、少しぐらいは説明しても
良いかなと思います。
よろしければお付き合いください<(_ _)>
〇士農工商の元となる思想
江戸時代の有名な身分制度です。
(最近は教えない先生もいらっしゃる
ようですが…。)
ポイントになるのは、
農民が二番目で、商人が一番身分が低い
ということですよね。
これは、何を元にしているのでしょうか?
結論になりますが、
これは、
「貴穀賤金(きこくせんきん)」という
朱子学の思想からきているものです。
読んで字の如く、
米は貴く、金は賤しいという考え方です。
ただし、このような考え方は、
朱子学だけに限ったものではありません。
例えば、世界に散らばり、
金融業で生計を立てたユダヤ人は、
白人にとって差別の対象でした。
このような考えが、アウシュビッツなど
を生み出していくのです。
ちなみにこの考え方は、
我々の生活にも少し残っています。
紙幣の束を封筒に入れるなどがそうです。
時代劇でも、
越後屋から悪代官に渡される小判は、
紙や布に包まれていますよね。
(世代的に分からない方、スイマセン。)
お金というのは、何処か、肌で触れ難い
存在であると我々は認識しているのです。
〇穢多・非人の元となる思想
「穢れ思想」については、
室町時代の河原者のところで述べました。
その内容は、
【室町時代の授業ネタ-小ネタ①】を
ご覧下さい<(_ _)>
非人は人に非ず、穢多は穢れ多し。
彼らは、俗に言う被差別民です。
まさに、日本独特の思想、
「穢れ思想」から生まれた差別です。
今回は、少し話が飛んでしまうかも
知れませんが、
「禊(みそぎ)」をご存知でしょうか?
身体の穢れを除去して清める為に行う、
水浴行為のことです。
イザナギが黄泉国から戻った時、
禊を行い、そこから様々な神が誕生した
ことが日本神話の中に描かれています。
また、
過去のいざこざなどを全て無かった
ことにすることを、「水に流す」と
言いますよね。
神社に参拝する前に、手を洗い、
口をすすぐのも禊の一種です。
日本は水が非常に豊かです。
そんな恵まれた状況だからこそ、
日本の独自の文化形成に水が大きく
関わっています。
穢れの対極にある禊。
その思想や行動に深く関わっているのは、
遥か古より我々の住む日本列島を潤し、
豊かな自然の元になっている水なのです。
いかがでしょうか。
今回は、思想からくる身分制度や差別に
ついてお話しました。
穢多・非人については、
明治か大正時代に再び書こうと思います。
では、今回はこの辺で。
このブログを読んで下さる方々に
最大の敬意を込めて。
あなたの生徒が輝く授業を
最大限していきましょう。
ありがとうございました。
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